ブルーリボン Blue Ribbon
ノーザンハイブッシュ系
系譜・来歴
- 親系譜: 'G344'(花粉親、未特許)×'Toro'(種子親、未特許)の制御交配
- 交配年: 2002年(米国オレゴン州 Lowell, Fall Creek にて実施)
- 選抜年: 2005年夏、Fall Creek Farm & Nursery 育成圃場(オレゴン州 Lowell)にて選抜
- 育成者: David M. Brazelton, Adam L. Wagner(共同発明者)
- 米国植物特許: USPP24,636 P3(出願2012-03-12 / 登録2014-07-15 / 失効予定2032-08-21)
樹体特性
- 樹勢: 旺盛(vigorous)
- 樹形: セミアップライト〜開帳性(semi-upright to spreading)。長く弓状に伸びる枝(long, arching branches)を持つため、定期的な整枝・剪定が推奨される。
- 樹高(3年生株): 平均約 34 inch(約 86 cm)
- 樹冠幅(3年生株): 平均約 41 inch(約 104 cm)
- 葉の落葉性: オレゴンでは半落葉性(semi-deciduous)
結実特性
- 開花期: 4月下旬〜5月(オレゴン州基準)
- 収穫期: 7月21日〜8月22日(オレゴン州基準)。Duke の後・Draper の前に成熟する早生〜中生品種。
- 自家結実性: 良好。自家受粉花の約86%が結実するとの記載(特許明細書)。ただし高品質果実生産のためには他品種との混植による交雑受粉が一般に推奨される。
- 収量: 高収量。Duke を上回る収量との記載。商業品種としても「high yields」と評価。
果実特性
- 果実サイズ: 大粒(average 2.4 g/粒)— Legacy や Miss Jackie と比較して上回るカリブレーションとの評価
- 果形: パンプキン型(pumpkin-shaped、わずかに扁平な丸型)
- 果皮色: 樹上で「Blue Ice」、収穫後は「Velvet Morning」(明るいブルー)
- 食味: 甘味と芳香に優れ、クランチ感(crunch、パリッとした食感)が際立つ
- 果実硬度: 非常に硬い(196 g/mm of deflection、Duke の 148 g/mm を大幅に上回る)
- 棚持ち(shelf life): ポストハーベスト性に優れ、生鮮プレミアム市場・手摘み出荷向け
- 用途: 生食用ハンドハーベスト・プレミアム生鮮市場
耐寒性・耐病性
- 低温要求量(chill hours): 800〜1000時間(特許明細書記載)。一方 Fall Creek 公式は近年「Mid Chill」と分類しており、温暖地〜寒冷地まで幅広い気候適応が確認されつつある。イタリアの資料では「200時間以下でも結実」との実地報告もある(再評価値、要追検証)。
- 耐寒性: USDA ハーディネスゾーン 4〜7
- 耐暑性: 良好。Fall Creek は「高温下でも優れた耐性を示す」と明記。スペイン・ポルトガル・モロッコ等の温暖地でも好成績。
- 病害虫耐性: 茎枯病(stem blight)・芽ダニ(bud mites)への耐性は未確定/根腐病(root rot)、枝枯病(twig blight)、cane canker、bacterial canker、灰色かび病(botrytis)、葉斑病(leaf spot)、leaf rust に対しては「特に高い感受性は示さない」と記載
推奨栽培地
- 米国: 太平洋岸北西部(オレゴン、ワシントン)等の中〜高低温要求量地域
- 欧州: スペイン(特に南部)、ポルトガル、イタリア等の地中海性気候地域でも好成績
- 北アフリカ: モロッコ
- 南米・南半球: チリ、ペルー等での試験・採用例あり
- Fall Creek 自身が「寒冷気候から温暖気候まで適応」と説明する広域適応型品種
受粉相性
- 自家結実性は良好(特許明細書で86%自家受粉成功率)
- ただし果実品質・粒揃い・収量最大化のためには、開花期が重なる他のハイブッシュ品種(例: Duke、Draper、Top Shelf 等)との混植受粉が一般的に推奨される
- 具体的な推奨受粉樹は Fall Creek 公式資料には明示されていない(不明)
商業利用状況・ライセンス
- ライセンス形態: Fall Creek® Genetics™ の独占(exclusive)プロプライエタリ品種
- 生産者は Fall Creek 公認ナーサリー経由でのライセンス契約・苗購入が必要
- ロイヤリティ: 苗購入時に支払う「open catalogue(オープンカタログ)」方式で、生産者からの生産・販売段階での追加ロイヤリティや販売制限は基本的に課されない(イタリアの資料による)。ただし無断増殖は禁止。
- 主要市場: ハンドハーベスト・プレミアム生鮮市場(high-value fresh market)。大粒・甘味・クランチ食感・棚持ちの長さからスーパーマーケット向けプレミアム陳列品種として位置付けられる。
日本での状況
- 日本における正式なライセンス商業生産情報: 不明(公的に確認できる Fall Creek 認定の日本国内ライセンシー情報は見当たらない)
- 一般家庭園芸向け苗木流通: 限定的。日本の主要ブルーベリー苗専門店(大関ナーセリー、井戸園芸、花ひろばオンライン、日本花卉ガーデンセンター、国華園 等)の通販一覧で「Blue Ribbon」名の出品は今回の調査では確認できなかった。
- 注意: 「ブルーリボン」という名称はバラ品種(Blue Ribbon、四季咲き紫薔薇)として日本市場で広く流通しており、ブルーベリーとは別品種であるため検索時は混同注意。
- 結論: 日本における Blue Ribbon ブルーベリーの一般流通はほぼ無い〜極めて限定的と推定される(2026年4月時点)。
育成者注釈・特記事項
- Fall Creek は Blue Ribbon を「Duke と Draper の間を埋める早〜中生プレミアム品種」として位置付けており、特に「大粒・甘味・芳香・クランチ感・優れた棚持ち」を統合した次世代ハンドハーベスト品種として国際的に推奨している。
- 特許明細書で示された果実硬度 196 g/mm は、業界基準である Duke(148 g/mm)を大幅に上回り、長距離輸出や陳列耐性で優位。
- 当初は典型的なノーザンハイブッシュ(800〜1000h chill)として登録されたが、市場展開後の実績から「Mid Chill」かつ温暖地適応性も併せ持つ広域適応型品種として再評価されている。
- 開花形態に関する学術研究(Longdom 等)でも「new northern highbush cultivars」として比較対象に含まれている。
参考情報源
- Google Patents — USPP24636P3 'Blue Ribbon'
- Justia Patents — PP24636 'Blue Ribbon'
- US Patent Application 20130239265 — 'BLUE RIBBON'
- Google Patents — US20130239265P1
- Free Patents Online — Blueberry plant named 'BLUE RIBBON'
- Fall Creek Farm & Nursery 公式品種ページ
- Fall Creek Farm & Nursery 西語ページ
- Fall Creek 公式ブログ — Spain での好成績
- Italian Berry — Blue Ribbon Variety Fact Sheet
- Raintree Nursery — Blue Ribbon Blueberry
- Pense Berry Farm — Blue Ribbon Blueberry
- East Hill Tree Farm — Blue Ribbon Blueberry
- Growing Produce — Low Chill, Cold-Hardy Berry Varieties
- Longdom — Floral Morphology Differs Among New Northern Highbush Blueberry Cultivars
- Fall Creek Variety Update — Blue Ribbon (Mid Chill) YouTube
- Fall Creek Varieties 一覧