ガーデンブルー Garden Blue
ラビットアイ系
系譜・来歴
- 親系譜: 'Myers'(マイヤーズ)× 'Clara'(クララ)の交配により得られた実生選抜系統。注:日本国内一部資料に「Myers × Crolan」と表記されるものもあるが、複数の有力国内園芸資料(花ひろばオンライン、ITANSE等)では「Myers × Clara」と記載されており、本資料では「Myers × Clara」を採用する(出典内で表記揺れあり)。
- 来歴: 1940年代以降、ジョージア州ティフトンの Coastal Plain Experiment Station と USDA-ARS(米国農務省農業研究局)が共同で進めていたラビットアイ系ブルーベリー育種事業の中で得られた品種。1955年公表の'Tifblue'と並ぶ、初期ラビットアイ古典品種群の一つ。注:1958年に同じくUSDA/UGAから発表されたラビットアイ品種'Menditoo'と同年代の発表で、'Garden Blue'は同時期の家庭園芸/景観用途を主眼に置いた品種として位置付けられる。
- 品種名の由来: 「Garden(庭)」+「Blue(青色)」。観賞性が高く家庭庭園での栽培(生垣・目隠し・観賞兼用果樹)に適することから命名されたと考えられる。
樹体特性
- 樹勢: 強い(vigorous)。ラビットアイ系の中で生育旺盛な部類。
- 樹形: 直立性(upright bush)。NCSU(ノースカロライナ州立大学)育種データベースで「Upright bush, somewhat self-fertile」と記載される。株元からシュートが出やすく株立ち状の自然樹形に育つ。
- 樹高: 地植えで約 1〜2 m 程度(資料により異なる)。ハイブッシュ系より低めで、剪定で調整可能。樹勢が強く土壌適応性が高いため、生垣や目隠しとしての利用も推奨される。
- 観賞性: 葉色が濃緑で美しく、景観樹・観賞兼用果樹として価値が高い。
結実特性
- 開花期: 4月中旬〜5月中旬(日本標準)。釣鐘状の白色花(約1cm)が咲く。中生開花。
- 収穫期: 中生(mid-season)〜中晩生。日本標準:7月中旬〜8月下旬/米南部産地:6月下旬〜7月(早〜中生)
- 低温要求量: 不明(明示資料が見つからず)。ただしラビットアイ系として一般的な 400〜600時間程度(7.2°C 以下)と推定される。詳細値は不明。
- 収量: 豊産性あり。果実は中大粒で安定した収量が見込める。
果実特性
- 果実サイズ: 中粒〜中大粒(約 17〜19 mm)。資料により「medium」「中〜大粒」と表記される。
- 果皮色: 明るい青色(light blue)。果粉(ブルーム)あり。
- 果肉: しっかりした食感。果皮は「ぱりっと歯ごたえがあり」かつジューシー。
- 食味: ラビットアイ系の中では甘味が強い品種で、糖度は平均 13〜16 度(Brix)と報告される。生食でとても美味しいと評価される。
- 加工適性: 熱を加えても果皮がしっかりしているため、ジャム・ケーキなど加工に最適。
- 裂果性: 具体的データ不明。
耐寒性・耐病性
- 耐寒性ゾーン: USDA Zone 7〜9 程度(ラビットアイ系一般値)。寒さにはやや弱い。具体的耐寒数値は不明。
- 耐暑性: 良好。暖地適応性が高い。
- 耐乾性: 良好(暑さに強く乾燥にも耐える)
- 土壌適応性: 高い。pH 4.3〜5.3 の弱酸性土壌を好むが、ラビットアイ系として一般的な土壌適応幅を持つ。
- 病害虫耐性: 具体的耐病性データは不明だが、ラビットアイ系一般の頑健さを継承するとされる。
推奨栽培地
- 米国: 米南東部(Zone 7〜9)。ジョージア州を中心としたラビットアイ系商業栽培地で家庭園芸用途として普及。
- 日本: 関東以西の太平洋側、東海、近畿、中国、四国、九州など暖地〜温暖地全般に適応。寒冷地(東北北部・北海道)には不向き。
- 家庭果樹・生垣・観賞兼用樹としての利用に特に推奨される。
受粉相性
- 自家結実性: NCSU データベースでは「somewhat self-fertile(やや自家結実性あり)」と記載されるが、実用上は他家受粉が推奨される(自家受粉のみでは結実低下、果実サイズ低下)。1本での結実は可能だが、他品種の近植が確実。
- 推奨受粉樹: 同一系統(ラビットアイ系)の別品種。'Tifblue'(ティフブルー)/'Brightwell'(ブライトウェル)/'Powderblue'(パウダーブルー)/'Climax'(クライマックス)/'Premier'(プレミア)
- 注:ハイブッシュ系とは開花期や倍数性が異なるため受粉樹として不適。
商業利用状況
- 1958年の発表以来、米南東部のラビットアイ系古典品種の一つとして長期間流通。
- 商業生鮮販売よりは家庭園芸・観賞兼用果樹・生垣(hedge)用途での利用が中心。
- 加工適性(果皮の硬さ、加熱時の形状保持)からジャム・ケーキ等加工原料としても評価される。
- 現代の大粒・高品質商業ラビットアイ品種(Brightwell, Powderblue 等)の登場により大規模商業生産での主役は譲ったが、家庭果樹・小規模栽培の定番として現役。
日本での状況
- 国内導入: 戦後の日本ブルーベリー導入初期から代表的ラビットアイ古典品種として導入され、長く流通。
- 流通状況: 国内主要園芸通販(花ひろばオンライン、ITANSE、楽天市場、Amazon.co.jp 等)で苗木が広く流通。家庭園芸定番品種の一つ。
- 入手性: 苗木は園芸店・通販で容易に入手可能。挿し木 2 年生苗、3 年生苗、接ぎ木 1 年生苗など多様な規格で流通。
- 栽培評価: 樹勢が強く土壌適応性が高いため育てやすく、初心者向けと評価される。観賞兼用樹として庭木・生垣用途でも人気。甘味の強さと加工適性のバランスから家庭果樹の標準品種の一つとして定着。
育成者注釈・特記事項
- 'Tifblue'(1955年)と同時代の USDA/UGA ラビットアイ古典品種群の一つで、発表から70年近くを経た2026年時点でも家庭園芸を中心に現役。
- 「Garden Blue」の品種名どおり、家庭の庭園・観賞用途を意識した品種で、観賞性・収穫性・加工適性のバランス型品種。
- 直立性樹形+強樹勢+葉色の美しさの組合せから、生垣・シンボルツリーとしての景観利用に特に向く点が他のラビットアイ古典品種と差別化される特徴。
- 親系譜について「Myers × Clara」と「Myers × Crolan」の表記揺れが日本国内資料間にあり、原典(USDA/UGA一次資料 HTML)での確定記載は今回確認できず。一次資料による親確定は今後の課題(不明)
- 低温要求量の具体的数値は今回調査では確定できず(不明)。ラビットアイ系一般値(400〜600 時間)と推定。
参考情報源
- NC State University, Blueberry Genetics and Genomics Laboratory – Rabbiteye varieties
- NCSU Blueberry Breeding Program History
- 花ひろばオンライン – ガーデンブルー(ラビットアイ系)品種ページ
- ITANSE(イタンセ)植物のITANSE – ブルーベリー苗木 ラビットアイ系 ガーデンブルー
- 苗木部 naegibu.com – ガーデンブルー ブルーベリー ラビットアイ系の特徴と育て方
- Amazon.co.jp – ブルーベリー ラビットアイ系 ガーデンブルー 4.5号ポット苗 商品ページ
- 品種別の特徴と観察 ラビットアイ系(biglobe)
- ブルーベリーの全品種の特徴一覧表(fruitplantsvariation)