モンゴメリー Montgomery
ラビットアイ系
系譜・来歴
- 親系譜: 母本 NC763 × 父本 'Premier'(プレミア)
- 米国ノースカロライナ州立大学(NCSU)ブルーベリー育種プログラムにおいて、育種家 James R. Ballington により育成され、1997年に正式発表された早生〜中早生ラビットアイ品種。
- NCSU 系統番号は NC1877。母本 NC763 は NCSU 育種ラインで、父本は同じく NCSU/USDA 共同育成の早生ラビットアイ 'Premier'(1978年発表)。
- 米国南東部(ノースカロライナ州、ジョージア州、ミシシッピ州、アラバマ州など)での生鮮市場向け早生ラビットアイ生産を目的に育成された。
樹体特性
- 樹勢: 中程度(moderately vigorous, moderate vigor)。プレミア等と比べると控えめだが、栽培現場では「強健」と表現される報告もある。
- 樹形: 半直立性(semi-upright)。株元から複数のシュートが立ち上がる株立ち状の自然樹形となる。
- 樹高: 成木で約1〜2 m、株張り約1〜1.5 m(鉢植え・地植えとも同程度)
- 生育速度: やや早い
- 耐土壌性: ラビットアイ系の中でも土壌適応性が良好で、他系統(ハイブッシュ等)よりも幅広い土壌条件で生育するとされる。
結実特性
- 開花期: 米国南部では4月、日本では4月中旬頃。白色〜淡桃色の釣鐘状花(約1 cm)
- 収穫期: 早生〜中早生(early to mid-season)。米国南ミシシッピ州: 5月下旬〜6月中旬('Premier' とほぼ重なる)/日本(暖地〜温暖地): 7月上旬〜7月下旬が中心。一部販売業者では「8月下旬〜10月上旬」との記載もあるが、これは栽培地の違いによるばらつきと考えられる。
- 低温要求量: 約550時間(550 chill hours, 7.2°C 以下)
- 収量: 多収(very productive)。果実生産が安定していると評される。
- 自家結実性: ラビットアイ系のため自家不和合性。同系統他品種との混植が必須。
果実特性
- 粒径: 中粒〜大粒(medium to large)。日本の販売業者間でも「中〜大粒」表記で一致。
- 果色: 明るいライトブルー(light blue)で外観良好(excellent color)と高評価
- 果肉・食感: 比較的硬く、ラビットアイ系として良好な果肉硬度(good firmness)。「パリッ」とした食感を持つとの報告がある。
- 風味: 良好で芳香性(aromatic)に富む。糖度約16度、甘味と酸味のバランスが取れたコクのある味わい。日持ちが良い。
- 果梗痕(stem scar): 良好(NCSU・eXtension の評価)
- 裂果耐性: 梅雨期や降雨時でも裂果が少なく、栽培しやすい。同時期の他品種より優れる。
- ポリフェノール: 含量が多いと一部国内サイトで紹介される(出典は栽培業者)
耐寒性・耐病性
- 耐寒性: ラビットアイ系として、USDA Zone 7〜9 が栽培適地。やや耐寒性が弱く、寒冷地(東北北部・北海道)では露地栽培困難。
- 耐暑性: 強い。米国南東部の高温多湿気候に適応。日本でも関東以西の暖地〜温暖地に適する。
- 耐乾性: 強い。ラビットアイ系特有の根系の強健さに準じる。
- 病害虫耐性: 一般的に病害虫に強いとされるが、Montgomery 個別の耐病性試験データは公開情報の範囲では限定的(個別データは不明)。ラビットアイ系全般としてミイラ果病(Mummy Berry)や根腐れ病に比較的強い傾向。
推奨栽培地
- 米国: ノースカロライナ州、ジョージア州、サウスカロライナ州、アラバマ州、ミシシッピ州、ルイジアナ州、フロリダ州北部、テキサス州東部などのラビットアイ栽培地帯。USDA Zone 7a〜9b。
- 日本: 関東以西の暖地〜温暖地(高冷地を除く)。低温要求量約550時間で東北南部〜九州まで栽培可能だが、ラビットアイ系の耐寒性に従い東北北部以北は不向き。
受粉相性
- 自家結実性: ラビットアイ系として自家不和合性。1本では十分な結実が得られない。
- 推奨受粉樹: 同じく早生〜中早生のラビットアイ系品種が適合する。'Premier'(プレミア): 親品種の一つでもあり開花時期がよく重なる/'Tifblue'(ティフブルー)、'Brightwell'(ブライトウェル)、'Powderblue'(パウダーブルー)、'Climax'(クライマックス)、'Delight'(デライト)、'Homebell'(ホームベル)、'Woodard'(ウダード)、'Gloria'(グロリア)等
- 異品種を2本以上混植することが推奨される。
商業利用状況
- 米国南東部(ノースカロライナ州、ジョージア州、ミシシッピ州、アラバマ州等)で生鮮市場向け早生ラビットアイ品種として商業導入されてきた。
- 'Premier' と収穫期が重なる早生品種として、果実サイズ・色・食味の優位性から生鮮出荷向きと評価される。
- 加工(ジャム、ジュース等)にも適する多用途品種。
- 機械収穫適性に関する個別記述は本調査範囲では限定的(機械収穫適性データは不明)
日本での状況
- 日本国内ではラビットアイ系の中では比較的マイナーながら、複数の主要種苗業者・通販サイトで安定して苗木が流通している。
- 取扱業者: 花ひろばオンライン/苗木部、赤塚植物園オンライン「花の音」、ベリーガーデン、楽天市場の各種苗木店等
- 収穫期は7月上旬〜下旬が主流(暖地)。中〜大粒で糖度約16度、香り良好で「ラビットアイ系の中でも食味トップレベル」と評価する販売店もある。
- 梅雨期の裂果耐性が高く、降雨の多い日本の気候に適合しやすい点が評価されている。
- 家庭園芸(鉢植え・庭植え)および小規模商業栽培・観光農園向けに導入されている。
育成者注釈・特記事項
- 育種家 James R. Ballington(NCSU)はラビットアイ・サザンハイブッシュ両系統で多数の品種('Onslow', 'Pamlico', 'Columbus', 'Robeson', 'New Hanover', 'Yadkin' 等)を発表してきた人物で、Montgomery はその NCSU ラビットアイ系列の早生品種。
- NCSU 系統番号 NC1877 として試験されたのち1997年に発表。
- 親品種に同じく NCSU 育成の早生ラビットアイ 'Premier' を持ち、'Premier' の早生性・果実品質を改良する位置付けでリリースされた。
- 「明るいライトブルーの果色(excellent color)」「中〜大粒」「半直立性で扱いやすい樹形」「梅雨期の裂果が少ない」「香り高くアロマティック」が主要な特徴。
- 商業利用は米国南東部が主で、日本では家庭園芸〜小規模商業栽培向けに普及。米国における大規模商業生産統計上の主要品種ではないが、産地適合性の高さから家庭〜中規模栽培で評価される位置付け。
- 特許番号は本調査範囲では特定できず(不明)
参考情報源
- Montgomery | NCSU Blueberry Genetics and Genomics Laboratory
- Montgomery: Rabbiteye Blueberry Varieties – eXtension blueberries
- NCSU Blueberry Varieties Gallery
- NCSU Rabbiteye Cultivars Page
- Early Season Blueberry Varieties – eXtension blueberries
- Blueberry Varieties: Rabbiteye – eXtension blueberries
- 赤塚植物園オンライン 花の音 ブルーベリー ラビットアイ系 モンゴメリー
- 苗木部 モンゴメリー ブルーベリー ラビットアイ系の特徴と育て方
- 花ひろばオンライン(苗木部)モンゴメリー(ラビットアイ系 ブルーベリー)
- 花ひろばオンライン(楽天)モンゴメリー(ラビットアイ系 ブルーベリー)
- 収穫時期別 ブルーベリー早見表(花ひろばオンライン)
- ブルーベリーファクトリー岐阜 ラビットアイ系とは