ブルーベリー品種図鑑

140品種を系統別に紹介

ラッセル Russell

ノーザンハイブッシュ系

学名Vaccinium angustifolium(ローブッシュ系野生選抜)※ただし当時は分類が確立しておらず、Coville は本系統をハイブッシュとローブッシュの中間的な野生選抜として扱った
育成機関アメリカ合衆国 ニューハンプシャー州 グリーンフィールド(Greenfield, N.H.)の Frank Russell 氏の山地農場で野生選抜(F. V. Coville)
育成年1909年(選抜)
特許番号不明(野生選抜系統・特許制度発足以前)

歴史的意義

'Russell' は、F. V. Coville(フレデリック・V・コヴィル)が栽培ブルーベリー育種事業の最初期に用いた 2系統の野生選抜の一方であり、もう一方の 'Brooks'(ハイブッシュ野生選抜)と並んで、世界初の体系的なブルーベリー人為交配(1911年春)の母本となった歴史的個体である。Coville による Brooks × Russell の交配は「栽培ブルーベリーの誕生」を象徴する出来事として位置づけられ、現代のノーザンハイブッシュ品種群の系譜の起点に立つ。

特に 'Russell' から受け継がれた 早熟性(earliness)は、Coville が「最も早く市場に出るブルーベリーが最高値で取引される」と認識していたことから、その後の商業育種における最重要形質のひとつとなり、後代に確実に伝達された形質として記録されている。

選抜の経緯

樹体・果実特性

Coville育種への貢献

  1. 1911年春、最初の人為交配: Coville は 'Brooks'(ハイブッシュ野生選抜)と 'Russell'(ローブッシュ野生選抜)の間で 栽培ブルーベリー史上初の意図的種間〜系統間交配を実施した。
  2. 1913年、F1世代の相互交配: 1911年の F1 個体同士を交配し、F1 と F2 を合わせて 約3,000個体を圃場まで育成した。
  3. ハイブリッド 394Y: この Brooks × Russell の F1 個体群から得られた選抜個体のひとつが「394Y」と呼ばれる F1 ハイブリッドで、これが後の品種 'Rancocas' の片親となった。
  4. 'Rancocas'(1926年発表)の祖父母:
    • 系譜: (Brooks × Russell) × Rubel
    • 交配年: 1915年春
    • 育成地: ニュージャージー州 Whitesbog
    • 育成者: F. V. Coville(USDA)
    • すなわち 'Russell' は 'Rancocas' の祖父母(grandparent)にあたる。
  5. 早熟形質の供与: 'Russell' 由来の早熟性は、Coville 自身が「すべての後代に一貫して発現する」と明記しており、商業育種における基本形質となった。

現代品種への遺伝的寄与

日本での状況

参考情報源