ブルーベリーの受粉樹の相性と選び方
受粉樹とは、実をとりたい品種のそばに植える「花粉を渡すための別品種」のことです。ブルーベリーは同じ品種の花粉だけでは実がつきにくく、別品種の花粉で受粉すると、実つき・粒の大きさ・収量が良くなります。
相性の良い受粉樹の条件は、同じ系統であることと開花期が重なることの2つです。このページでは、その考え方と、当図鑑の各品種ページに記載した推奨受粉樹の一覧をまとめました。
よく調べられている品種: ネルソン/パトリオット/レガシー/ノースランド/ミスティ/ブリジッタ/ブルークロップ/チャンドラー/オニール/デューク
受粉樹とは・なぜ必要なのか
ブルーベリーには、自分の花粉では受精しにくい自家不和合性という性質があります。程度は系統や品種によって大きく違い、ほとんど実がつかない品種もあれば、1本でも十分に実をつける品種もあります。それでも、当図鑑で受粉について記載のある品種のほとんどで、別品種と混植して他家受粉させると、着果・果実の大きさ・収量が向上すると書かれています。
各品種ページに記載した例を挙げます。
- 結実率——クライマックスでは、自家受粉の結実率69%に対し、他家受粉では84%だったとの研究報告があります。
- 収量——エメラルドは自家受粉時の収量が他家受粉時のおよそ半分。スターは他家受粉の条件で1株12〜20ポンド、自家受粉のみでは8〜12ポンド程度に下がると報告されています。
- 果実の大きさ——シャープブルーでは、ミツバチによる他家受粉で大粒果の比率が13%増え、小粒果の比率が66%減ったとの研究報告があります。
- 成熟の早さ——デュークやスージーブルーでは、他家受粉で成熟がやや早まることが報告されています(ファージングのように、この効果が見られない品種もあります)。
- 単一品種植えの失敗例——フローダブルーとシャープブルーは当初交互の列に植えて相互受粉させていましたが、シャープブルーだけの区画が増えた結果、受粉が不十分になり収量が大きく落ちた経緯があります。
ブルーベリーの自家不和合性は、1909年、米国農務省の植物学者 F.V. Coville がブルックスの自家受粉実験で結実不良を確認したことから知られるようになりました。これが、いまの「複数品種を混植する」栽培方法の出発点になっています。
受粉樹選びの基本ルール
系統ごとの自家結実性の傾向
当図鑑の各品種ページの記載を系統ごとにまとめると、次のとおりです。
| 系統 | 自家結実性の傾向 | 1本で実がなるか |
|---|---|---|
| ラビットアイ系Rabbiteye | 自家不和合性が強い品種が多い | 多くは十分に実がつかない。同じラビットアイ系の別品種を2品種以上混植することが必須。センチュリオン・ヤドキン・オンスローのように自家結実性ありとされる品種もあるが、これらも混植で結実・果実サイズが向上する |
| ノーザンハイブッシュ系Northern Highbush | 部分的な自家結実性を持つ品種が多い | 一応実はつくが、混植で着果・果実サイズ・収量が向上。オリンピアのように自家結実性が低く、単植ではほとんど実がつかない品種もある |
| ハーフハイブッシュ系Half-high | 部分的な自家結実性を持つ品種が多い | 一応実はつくが混植を推奨。トップハットは自家結実性が高く1株でも結実する |
| サザンハイブッシュ系Southern Highbush | 部分的〜中程度の品種が多い | 一応実はつくが混植を推奨。サンシャインブルーは自家結実性が高く1本でも栽培できる数少ない品種 |
組み合わせの5つのルール
- 同じ系統どうしで組み合わせる。ラビットアイにはラビットアイ、ハイブッシュにはハイブッシュが基本です(系統をまたぐ場合の注意は後述)。
- 開花期が重なる品種を選ぶ。受粉樹の条件で最も重要なのがこれです。たとえば早生のアーリーブルーと中晩生のエリオットだけの組み合わせは推奨されず、極晩生のオーロラには晩生の受粉樹が必要です。ラビットアイ系でも、晩咲きのアラパハと極早咲きのクライマックスは開花期が7〜10日ずれます。
- 2品種以上、できれば3品種以上を植える。クライマックスのページでは最低2品種・できれば3品種以上の混植が推奨され、ネルソンのページでは3品種以上の組み合わせで収量が安定するとされています。ベッキーブルーでは、3株以上で2品種以上を6〜8フィート(約1.8〜2.4m)程度の間隔で植えるのが理想とされています。
- 相性の悪い組み合わせを避ける。アリスブルーとベッキーブルーには交雑不和合性があり、近くに植えると両方とも着果不良になるとされます。開花期が合っていても実がつかない例外です。
- 受粉を担う虫が来る環境にする。ブルーベリーの受粉はミツバチやマルハナバチなどの訪花昆虫が担います。花を震わせて花粉を出す振動授粉をするマルハナバチが有効とされます。早春に咲くサザンハイブッシュ系の早生品種(シャープブルー・フローダブルーなど)では、開花時期に受粉昆虫の活動が追いつかないことが課題に挙げられています。
品種別:推奨受粉樹の一覧
当図鑑の各品種ページの「受粉相性」欄などに記載した内容を、系統ごとにまとめました。品種名をクリックすると詳細ページへ移動します。推奨受粉樹のうちリンクのないものは、当図鑑に未収録の品種です。挙げた品種は例であり、開花期が重なる同じ系統の別品種であれば受粉樹の候補になります。
ノーザンハイブッシュ系
| 品種名 | 自家結実性 | 図鑑に記載の推奨受粉樹 |
|---|---|---|
| ブルークロップBluecrop | 部分的にあり | ブルーレイ、アーリーブルー、デューク、パトリオット、チャンドラー、ジャージー 他品種と混植すると着果率・果実サイズ・収量が向上 |
| デュークDuke | あり | スパルタン、ブルークロップ、アイバンホー、アーリーブルー、レガシー、パトリオット 他品種との交配で果実サイズ・収量が増し、成熟もやや早まるとの報告 |
| ネルソンNelson | 弱い〜部分的 | ブルークロップ、アーリーブルー、バークレー、パトリオット、デューク、ブルージェイ、スパルタン 3品種以上の組み合わせで収量が安定。ネルソン自身も他品種の受粉樹に向く |
| パトリオットPatriot | 部分的(結実率は低め) | ブルークロップ、アーリーブルー、スパルタン、ジャージー、ノースランド ブルークロップが最も一般的な組み合わせ |
| レガシーLegacy | 弱めながらあり | ブルークロップ、リバティ、デューク、ジャージー、ヌイ、レカ、Elizabeth 暖地ではサザンハイブッシュ系(オニール等)とも受粉相性があるとされる |
| ブリジッタBrigitta | 部分的にあり | ブルークロップ、デューク、ジャージー、レガシー、エリオット、リバティ、オーロラ、ノースランド ブルークロップが最も広く推奨される標準的な組み合わせ |
| チャンドラーChandler | 部分的にあり | ブルークロップ、ジャージー、エリオット、パトリオット 最低2本以上の混植を推奨 |
| オーロラAurora | あり(部分的) | エリオット、リバティ、ブリジッタ、ネルソン 極晩生で開花も遅い。早生品種は開花がずれるため不向き |
| アトランティックAtlantic | 部分的にあり | ブルークロップ、バークレー、ジャージー 単独でも結実するが、混植で果実サイズ・収量が向上 |
| バークレーBerkeley | あり | ブルークロップ、コビル、ハーバート、アーリーブルー、ブルーレイ、コリンズ 混植で着粒・果実サイズ・収量が向上 |
| ブルーゴールドBluegold | 部分的にあり | ブルークロップ、パトリオット、デューク、ブルージェイ、ジャージー、レガシー、ヌイ、ウェイマス 国内では「自家結実性なし/弱い」と表記する業者もある |
| ブルージェイBluejay | 部分的にあり | ブルークロップ、ブルーレイ 混植で収量と果実の均一性が向上 |
| ブルエッタBluetta | 部分的にあり | アーリーブルー、デューク、パトリオット、ブルークロップ、スパルタン、コリンズ、ノースランド アーリーブルーが最も推奨(開花・収穫期が一致) |
| カリプソCalypso | 中程度 | ドレイパー、リバティ、ブルークロップ、レガシー、エリオット、オーロラ 2品種以上の混植が望ましい |
| カラズチョイスCara's Choice | 限定的 | ブルークロップ、デューク、ブルージェイ、ブルーレイ、パトリオット、チャンドラー、レガシー、オーロラ 苗木業者による案内。公的な研究データは確認できず |
| コリンズCollins | 弱め | ブルークロップ、アーリーブルー 同期開花のノーザンハイブッシュが適する |
| コビルCoville | 部分的にあり | ハーバート、バークレー、ブルークロップ、レイトブルー 開花期の重なる中生〜晩生品種と混植 |
| ドレイパーDraper | 部分的にあり | ブルークロップ、リバティ、デューク、スパルタン 最低2本以上の混植を推奨 |
| アーリーブルーEarliblue | 部分的(受粉樹は事実上必須) | ブルークロップ、デューク、パトリオット、ブルーレイ、スパルタン、ウェイマス ブルークロップが定番。中晩生(エリオット等)だけとの組み合わせは推奨されない |
| エコタEchota | 弱い | ブルージェイ、サンライズ、トロ、ディキシー 国内苗木業者の記載 |
| エリオットElliott | 部分的にあり | ブルークロップ、ブリジッタ、リバティ、オーロラ、レガシー 晩生〜極晩生どうしの組み合わせが有効 |
| ハーディーブルーHardyblue | 半自家結実性 | ブルークロップ、パトリオット、デューク、ジャージー、ブルージェイ、アーリーブルー ブルークロップが最も一般的 |
| ハーバートHerbert | 記載なし | ジャージー、チャンドラー |
| ホートブルー・プチHortblue Petite | あり | ヌイ ヌイのような大果品種の花粉で果実が大きくなるとの論文報告 |
| ホートブルー・ポピンズHortblue Poppins | あり | ブルークロップ、デューク、ヌイ、レカ |
| ジャージーJersey | 部分的にあり | ブルークロップ、ブルーレイ、バークレー、コビル、Darrow、エリオット、ヌイ、レガシー |
| レイトブルーLateblue | 弱い | ブルークロップ、コビル、ハーバート、エリオット、ブリジッタ、リバティ、オーロラ、レガシー |
| リバティLiberty | あり | エリオット、オーロラ、ドレイパー、ブルークロップ 花の構造により受粉効率に制約があるとの指摘あり |
| ヌイNui | 他家受粉が必須(または強く推奨) | ブルークロップ、Blue Joy、ディキシー、デューク、Puru、レカ ヌイ自身も大果の花粉親として利用される |
| オリンピアOlympia | 低い(単植では結実が極めて少ない) | チャンドラー チャンドラーが相互受粉樹として明示的に推奨される |
| ラズRazz | 部分的にあり | ブルークロップ、ブルーレイ、デューク、パトリオット |
| レカReka | 弱〜部分的 | ブルークロップ、アーリーブルー、デューク |
| シエラSierra | 部分的(弱い) | ブルークロップ、アーリーブルー、ブルーレイ |
| スパルタンSpartan | 部分的にあり | ブルークロップ、パトリオット |
| スタンレーStanley | 部分的(弱め) | ブルークロップ、ブルーレイ、デューク |
| サンライズSunrise | 限定的(弱い) | デューク、ブルエッタ、アーリーブルー、パトリオット 受粉樹候補としての記載。公式の相性データは不明 |
| スイートハートSweetheart | 部分的にあり | デューク、ハンナズチョイス 米国では自家結実性あり、国内では「弱い」と紹介され評価が分かれる |
| トロToro | 部分的にあり | ブルージェイ、サンライズ、ブルークロップ、デューク、パトリオット、アーリーブルー 国内資料では「自家結実性は弱い」 |
| ウェイマスWeymouth | あり | ジャージー、アーリーブルー、レガシー、ヌイ、ブルークロップ |
| おおつぶ星 系列Ootsububoshi 他 | 品種により異なる | おおつぶ星・あまつぶ星・はやばや星の3品種混植、レイトブルー、デューク、スパルタン はやばや星は自家和合性が低く混植が必要と明記されている |
| ブルーリボンBlue Ribbon | 良好(自家受粉で約86%結実) | 特定の品種の指定なし(開花期が重なる同系統の別品種との混植を推奨) |
| カーゴCargo | 高い(自家受粉花の約90%が成熟果に) | 特定の品種の指定なし(開花期が重なる同系統の別品種との混植を推奨) |
| ハンナズチョイスHannah's Choice | 部分的にあり | 特定の品種の指定なし(開花期が重なる同系統の別品種との混植を推奨) 公式資料に推奨受粉樹の具体的な指定なし |
| アイバンホーIvanhoe | あり | 特定の品種の指定なし(開花期が重なる同系統の別品種との混植を推奨) |
| ルーベルRubel | あり | 特定の品種の指定なし(開花期が重なる同系統の別品種との混植を推奨) |
ハーフハイブッシュ系
| 品種名 | 自家結実性 | 図鑑に記載の推奨受粉樹 |
|---|---|---|
| ノースランドNorthland | 部分的(単植では結実数・粒径とも劣る) | ブルークロップ、バークレー、パトリオット、デューク、ブルーゴールド、ポラリス、チペワ、セントクラウド、ディキシー ノーザンハイブッシュ・ハーフハイの異品種を1本以上混植 |
| チペワChippewa | 部分的にあり | ポラリス、ノースランド、セントクラウド、ノースブルー 同年代の姉妹品種ポラリスとの相性が特に良いとされる |
| ポラリスPolaris | 部分的(乏しいとの評価も) | チペワ、ノースブルー、ノースカイ、ノースカントリー、セントクラウド、パトリオット チペワとの組み合わせが最も推奨される一つ |
| ノースブルーNorthblue | 部分的にあり | ポラリス、チペワ、ノースカントリー、ノースカイ、セントクラウド |
| ノースカイNorthsky | 部分的にあり | ノースブルー、ノースカントリー、セントクラウド、ポラリス、チペワ |
| セントクラウドSt. Cloud | 資料により評価が分かれる | ポラリス、ノースカントリー、ノースカイ、ノースブルー、チペワ、フレンドシップ ノースブルーが最も広く推奨される |
| フレンドシップFriendship | 部分的にあり | ノースブルー 専用の受粉樹リストはノースブルーの推奨のみ確認 |
| トップハットTop Hat | 高い(1株でも結実) | ノースブルー、ノースカイ、ノースカントリー 受粉樹は必須ではないが、近くに植えると着果・果粒サイズが向上 |
サザンハイブッシュ系
| 品種名 | 自家結実性 | 図鑑に記載の推奨受粉樹 |
|---|---|---|
| ミスティMisty | 弱い | オニール、サンシャインブルー、ブラッデン ミスティ自身も他のサザンハイブッシュの良い受粉樹になる |
| オニールO'Neal | 部分的(弱い) | ミスティ、ビロキシ、Jubilee、スター、エメラルド、サンシャインブルー、シャープブルー |
| シャープブルーSharpblue | 部分的にあり | ミスティ、オニール、エメラルド、ジュエル、スター ミツバチ媒介の他家受粉で大粒果の比率が上がったとの研究報告 |
| ビロキシBiloxi | あり | スター、エメラルド、ジュエル、ミスティ、シャープブルー、オニール |
| エイボンブルーAvonblue | あり | シャープブルー、フローダブルー、ミスティ、オニール 具体的な公式推奨組み合わせは不明 |
| カメリアCamellia | 中程度 | スター、Palmetto、オニール、スージーブルー |
| ケープフィアCape Fear | 部分的にあり | オニール、ミスティ、シャープブルー、スター |
| クーパーCooper | 弱〜中程度 | ミスティ、ブラッデン、ガルフコースト、ジョージアジェム |
| エメラルドEmerald | 中程度(自家受粉の収量は他家受粉の約半分) | Magnus、オプティマス、Arcadia、Chickadee、ケストレル、ジュエル、スター、ウィンザー エメラルド自身も花粉提供側として優秀 |
| ジュエルJewel | 部分的にあり | エメラルド、スター、スプリングハイ、Millennia エメラルドとのペアが標準 |
| ファージングFarthing | 部分的に自家不和合とされる(自家受粉の結実率は高い) | エメラルド、スター、ウィンザー、ジュエル、スプリングハイ、Primadonna 他家受粉による熟期の早まりが見られない品種と報告 |
| フローダブルーFlordablue | 弱い | シャープブルー、アーレン、ビロキシ、ダップリン、ジョージアジェム、マグノリア、パールリバー、サミット リリース当初はシャープブルーとの交互列植えが推奨された |
| ガルフコーストGulf Coast | 部分的にあり | ミスティ、シャープブルー、ビロキシ、ブラッデン、ケープフィア |
| マグノリアMagnolia | 部分的にあり | パールリバー、Jubilee、ビロキシ、アイレン |
| ニューハノーバーNew Hanover | あり | オニール、スター、レガシー、サンプソン、シャープブルー、ミスティ オニールが最も推奨(花粉親で開花期が一致) |
| オザークブルーOzarkblue | あり | オニール 開花期の重なるノーザンハイブッシュとの混植でも着果数・果実サイズが向上するとの指摘 |
| パールリバーPearl River | 弱い(混植が必須) | アーレン、ビロキシ、フローダブルー |
| レベルRebel | 中程度 | スター、オニール、Palmetto、エメラルド、Georgia Dawn、スージーブルー |
| リヴェイルReveille | あり | ミスティ、ブラッデン、ガルフコースト、オニール |
| サンプソンSampson | 弱め | ミスティ、ブラッデン、ガルフコースト、ケープフィア、クーパー、リヴェイル |
| スノーチェイサーSnowchaser | 中〜低 | ベンチュラ、エメラルド、ウィンザー 開花が極端に早いため、受粉樹も極早生・極低チル品種から選ぶ |
| ベンチュラVentura | 自家受粉でも結実 | スノーチェイサー スノーチェイサーの最良の受粉相手とされる |
| スプリングハイSpringhigh | 比較的良好 | スノーチェイサー、ケストレル |
| スターStar | 部分的にあり | エメラルド、ジュエル、オニール、ミスティ |
| スージーブルーSuziblue | 部分的にあり | レベル、スター、カメリア、Palmetto、Southern Splendour 他家受粉で果実が大きくなり成熟が早まるとの報告 |
| ウィンザーWindsor | あり(自家受粉で約72%) | エメラルド、ジュエル、スター、スプリングハイ、ファージング 他家受粉で果実の成熟が早まる |
| アバンティAvanti | 不明 | Arcadia、Endura、オプティマス、Sentinel 開花期が重なる品種としての記載 |
| ケストレルKestrel | 不明 | Keecrisp、Patrecia、San Joaquin、Vireo、Arcadia、Chickadee 開花期が重なる品種としての記載 |
| アトラスAtlas | 高い(自家受粉で81.2%結実) | 特定の品種の指定なし(開花期が重なる同系統の別品種との混植を推奨) 果実サイズを最大にするには他家受粉を推奨 |
| オプティマスOptimus | 低〜中 | 特定の品種の指定なし(開花期が重なる同系統の別品種との混植を推奨) |
| スイートクリスプSweetcrisp | 限定的 | 特定の品種の指定なし(開花期が重なる同系統の別品種との混植を推奨) |
ラビットアイ系
| 品種名 | 自家結実性 | 図鑑に記載の推奨受粉樹 |
|---|---|---|
| ティフブルーTifblue | 自家不和合性が強い | ブライトウェル、パウダーブルー、クライマックス、プレミア、ブライトブルー |
| パウダーブルーPowderblue | 低い(他家受粉が必須) | ティフブルー、ブライトウェル、プレミア、クライマックス、アラパハ、オクロコニー ティフブルーが最も推奨される定番 |
| ブライトウェルBrightwell | 部分的にあり | パウダーブルー、クライマックス、プレミア、ティフブルー、Austin、アラパハ、ヴァーノン |
| クライマックスClimax | 自家不和合性 | プレミア、ティフブルー、パウダーブルー、ブライトウェル、Austin、コロンバス 最低2品種、できれば3品種以上の混植を推奨 |
| ホームベルHomebell | 弱い | ティフブルー、パウダーブルー、ウッダード、ブライトウェル、プレミア ティフブルーが第一推奨 |
| ウッダードWoodard | 低い(他家受粉が必須) | クライマックス、プレミア、ブライトウェル、ベッキーブルー、アラパハ、ヴァーノン、ティフブルー、ホームベル |
| プレミアPremier | 自家不和合性 | クライマックス、ブライトウェル、ティフブルー、パウダーブルー、Austin、アラパハ、モンゴメリー クライマックスとの相性が特に良いとされる |
| ヴァーノンVernon | 自家不和合性が強い | アラパハ、クライマックス、プレミア、ブライトウェル アラパハが最も推奨される組み合わせ |
| アラパハAlapaha | 部分的にあり(実用上は他家受粉が望ましい) | ヴァーノン、ブライトウェル、タイタン、オクロコニー、パウダーブルー 晩咲きのため、極早咲きのクライマックスとは開花期が7〜10日ずれる |
| タイタンTitan | 不完全(他家受粉が必須) | ヴァーノン、クルーワー、ブライトウェル、プレミア 最低2〜3品種の混植を推奨 |
| クルーワーKrewer | 低い | タイタン、ヴァーノン、アラパハ、ブライトウェル、クライマックス、プレミア、パウダーブルー タイタンが最良(兄弟品種で開花期が一致) |
| アリスブルーAliceblue | 自家不和合性が強い | クライマックス、ボニータ、ブライトウェル、ブルーシャワー ベッキーブルーとは交雑不和合性があり、組み合わせると着果不良になるとされる |
| ベッキーブルーBecky Blue | 自家不和合性 | クライマックス、ボニータ、ブライトウェル、ウッダード、アラパハ クライマックスとの組み合わせが標準。アリスブルーとの組み合わせは避けるべきとの記載あり(アリスブルーのページ) |
| ボニータBonita | 自家不和合性が強い | クライマックス、ベッキーブルー、ウッダード クライマックスが最有力 |
| ボールドウィンBaldwin | 弱い(他家受粉が必須) | ブライトウェル、パウダーブルー、センチュリオン、デライト、オクロコニー、ティフブルー |
| ブライトブルーBriteblue | ほぼ自家不和合性 | ティフブルー、ブライトウェル、パウダーブルー、デライト、グロリア、クライマックス |
| センチュリオンCenturion | あり | ボールドウィン、デライト 他のラビットアイと混植すると着果・果実肥大が向上 |
| チョイスChoice | 自家不和合性 | クライマックス、Windy |
| コロンバスColumbus | 他家受粉が必須 | オンスロー、デソト、ティフブルー、ウッダード、ボールドウィン 開花がやや遅く、早生〜中生品種とは花期がずれることがある |
| デライトDelite | 弱い(実用上は他家受粉が必須) | ブライトウェル、パウダーブルー、ティフブルー、クライマックス、オクロコニー、Chaucer |
| ガーデンブルーGarden Blue | やや自家結実性あり | ティフブルー、ブライトウェル、パウダーブルー、クライマックス、プレミア |
| モンゴメリーMontgomery | 自家不和合性 | プレミア、ティフブルー、ブライトウェル、パウダーブルー、クライマックス、デライト、ホームベル、ウッダード、グロリア |
| オクロコニーOchlockonee | 自家不和合性 | ブライトウェル、パウダーブルー |
| オンスローOnslow | あり(国内では他家受粉が必須との記載も) | コロンバス、デソト、アラパハ、ブライトウェル、ティフブルー |
| ヤドキンYadkin | あり | ブライトウェル、パウダーブルー、ティフブルー、オンスロー、コロンバス 国内では「単独結実はやや弱い」との記載あり |
| ブルージェムBluegem | 自家不和合性 | ウッダード 公表時の記事でウッダードとの混植を推奨 |
| アイラIra | あり(ノースカロライナ州内での評価) | 特定の品種の指定なし(開花期が重なる同系統の別品種との混植を推奨) |
ピンク色ノベルティ/半矮性
| 品種名 | 自家結実性 | 図鑑に記載の推奨受粉樹 |
|---|---|---|
| サンシャインブルーSunshine Blue | 高い(1本でも結実) | オニール、シャープブルー、ミスティ、ビロキシ、Bountiful Blue、Hello Darlin'、ケープフィア 極早咲きの他品種を混植すると収量・果実品質が向上 |
| ピンクレモネードPink Lemonade | 弱〜中程度 | ブライトウェル、ボニータ、プレミア ラビットアイ系との混植が最も効果的(半分がラビットアイ由来) |
| ピンクサファイアPink Sapphire | あり | 特定の品種の指定なし(開花期が重なる同系統の別品種との混植を推奨) |
図鑑に記載のある定番の組み合わせ
互いに受粉樹になる組み合わせとして、各品種ページで特に名前が挙がっているものです。
| 組み合わせ | 記載内容 |
|---|---|
| タイタン + クルーワー | 兄弟品種で開花期が一致。ヴァーノンを加えた3品種混植の推奨例もある |
| ヴァーノン + アラパハ | ヴァーノンにとって最も推奨される組み合わせ |
| クライマックス + ベッキーブルー + ボニータ | フロリダ大学のガイドが推奨する早生ラビットアイの組み合わせ |
| ティフブルー + ホームベル | 開花期・収穫期が近く、国内ではセット販売が定番 |
| ジュエル + エメラルド | フロリダの商業園で標準のペア |
| スノーチェイサー + ベンチュラ | 極早生どうし。収穫期もリレーできる |
| ポラリス + チペワ | 同年リリースの姉妹的品種で、相互受粉樹として組み合わされることが多い |
| オリンピア + チャンドラー | チャンドラーがオリンピアの相互受粉樹として明示的に推奨される |
| オーロラ + エリオット | 極晩生どうし。オーロラはブリジッタ×エリオットの交配でもある |
| おおつぶ星・あまつぶ星・はやばや星 | 群馬県育成の3品種。群馬県利根沼田地域では3品種ともほぼ同時期に開花し、混植で相互受粉が可能 |
系統をまたぐ組み合わせの注意
- ラビットアイ系とハイブッシュ系は組み合わせない。ラビットアイ系は六倍体、ハイブッシュ系は四倍体で倍数性が異なり、開花期もずれるため、受粉樹として不適とされています。パトリオット・ブルエッタ・ノースブルーなどのページでも「ラビットアイ系とは交雑不可」と記載しています。
- サザンハイブッシュ系とノーザンハイブッシュ系も同じ系統内が基本。スターやケープフィアのページでは、開花期のずれと低温要求量の違いから、ノーザンハイブッシュ系・ラビットアイ系との組み合わせは推奨されないとしています。ハーディーブルーのページでも、サザンハイブッシュとは交雑自体は可能だが、低温要求量が大きく異なるため実用的な混植には向かないとしています。
- ノーザンハイブッシュ系とハーフハイブッシュ系はよく組み合わされる。ノースランド・ポラリス・フレンドシップなどでは、開花期の重なるノーザンハイブッシュ系(パトリオット・ブルークロップなど)も受粉樹に挙げられています。
- 例外的な記載もあります。レガシーは暖地ではサザンハイブッシュ系(オニール等)とも受粉相性があるとされ、ニューハノーバーの推奨受粉樹にもレガシーが含まれます。オザークブルーは開花期の重なるノーザンハイブッシュ系との混植でも着果数・果実サイズが向上するとされます。ピンクレモネードは半分がラビットアイ由来のため、ラビットアイ系との混植が最も効果的とされています。マグノリアやパールリバーでは、開花期の近いラビットアイ系が近くにあれば補助的な受粉効果は期待できるとしつつ、基本は同じサザンハイブッシュ系との混植です。
冬の低温要求量(チルアワー)が違う品種どうしは開花期がずれやすく、受粉樹として機能しないことがあります。チルアワーは系統ごとに大きく違うため、詳しくはチルアワー(低温要求時間)とはをご覧ください。
品種を選ぶときの考え方
- まず、土地の冬の寒さに合う系統を決める。寒冷地はノーザンハイブッシュ系・ハーフハイブッシュ系、温暖地はラビットアイ系やサザンハイブッシュ系が中心になります。目安はチルアワーの解説ページにまとめています。
- 主力にしたい品種を決め、その品種ページの「受粉相性」を見る。推奨受粉樹のなかから、入手しやすく、自分でも食べたい品種を選ぶのが現実的です。
- 受粉樹も「収穫したい品種」として選ぶ。開花期が重なっていれば、収穫期が少しずれる組み合わせでも受粉には問題ありません。たとえばネルソンはブルークロップより遅く熟すため、組み合わせると収穫期をリレーできます。スノーチェイサーとベンチュラも収穫期がリレーできる組み合わせです。
- 1本しか植えられない場合は、自家結実性が高い品種を選ぶ。サンシャインブルーやトップハットは1本でも実をつけ、ベランダなど他品種を並べにくい場所でも収穫できます。ただしこれらも、他品種を近くに植えると収量・果実品質が向上します。
- ラビットアイ系を選ぶなら、最初から2品種以上を計画する。1本だけ植えても十分に実がつかない品種が多いためです。
情報を読むときの注意
- 自家結実性の評価は、資料によって分かれることがあります。スイートハートは米国の苗木業者が「自家結実性あり」とする一方、国内では「弱く受粉樹が必要」と紹介されています。セントクラウド・オンスロー・ウィンザー・プレミアなどでも資料間で記述が異なります。当図鑑では両方を併記しています。
- 推奨受粉樹の多くは苗木業者の案内です。育成機関の公式資料や試験データに基づくものばかりではありません。公式の指定がない品種は「特定の品種の指定なし」と記載しています。
- 資料どうしで食い違う記載もあります。ベッキーブルーのページの資料にはアリスブルーと同時に植えた例が挙がっていますが、アリスブルーのページの資料では、この2品種の組み合わせは着果不良を起こすため避けるべきとされています。上の一覧では、避けるべきとする記載を優先しました。
- 開花期は地域や年によって変わります。同じ組み合わせでも、気候によって花期の重なり方は変わります。実際の開花を観察しながら組み合わせを見直してください。
- 国内では手に入りにくい品種も含まれます。推奨受粉樹のなかには、海外でしか流通していない品種名もあります。
この図鑑について
ここに載せた内容は、当図鑑の各品種ページに記載した受粉相性・自家結実性の情報を集約したものです。出典は各育成機関・大学・苗木業者の公開情報で、個別の出典は各品種ページの参考情報源に記載しています。
作成・編集は、群馬県高崎市倉賀野でブルーベリーを栽培しているセボンマルシェです。自分たちの畑の品種選びのために調べた内容を、そのまま公開しています。
系統別の一覧を見る
ノーザンハイブッシュ系61品種
低温要求量 800〜1,000h。冷涼〜温帯適応、USDA Zone 4〜7 が主体。
サザンハイブッシュ系34品種
低温要求量は品種差が大きい(150h〜1,000h)。温暖地〜亜熱帯適応。
ラビットアイ系31品種
低温要求量 350〜700h。暖地適応、自家不和合で混植必須。
ハーフハイブッシュ系8品種
低温要求量 800〜1,000h。極寒地適応(Zone 3-4)、樹高が低い。
ピンク色ノベルティ/半矮性3品種
ピンク〜白色果実の観賞兼食用、半常緑のサンシャインブルーなど。
野生種・国内育成・その他3品種
ワイルドブルーベリー、群馬3兄弟(おおつぶ星)、Eureka シリーズなど。